① 一度楽になったのに、また痛くなるのはなぜ?
「施術を受けたら楽になったのに、しばらくするとまた痛くなってきた。」
そんな経験はないでしょうか。
腰痛や首の痛み、肩こりなどを繰り返している方なら、一度は経験したことがあるかもしれません。
施術を受けて身体が楽になることは、とても大切です。
ただ、そこで終わりではない場合もあります。
なぜなら、身体は施術を受けている時間よりも、日常生活の中で過ごしている時間の方が圧倒的に長いからです。
仕事で同じ姿勢を続ける。
毎日同じように座る。
いつも同じ側で荷物を持つ。
家事や育児で同じ動作を繰り返す。
そうした生活が続けば、身体はまた「いつもの使い方」に戻っていくことがあります。
だから私は、身体の不調を改善するときには、
「今の痛みをどうするか」
だけではなく、
「なぜ繰り返しているのか」
「普段、身体をどのように使っているのか」
まで考えることが大切だと思っています。
痛みを楽にすること。
そして、楽になった身体を日常生活の中でどう使っていくのか。
この二つを一緒に考えることが、繰り返す不調と向き合ううえで大切なのです。
② 身体は「いつもの使い方」を繰り返している
身体には、普段から繰り返している動きがあります。
座る。
立つ。
歩く。
仕事をする。
家事をする。
スポーツをする。
こうした動作を毎日のように繰り返していると、身体はその使い方に慣れていきます。
それは、悪いことではありません。
繰り返すことで、私たちは意識しなくても自然に身体を動かせるようになります。
一方で、身体の一部に負担がかかるような使い方を長く続けていると、それも「いつもの使い方」になっていくことがあります。
例えば、いつも同じ姿勢で座る。
いつも同じ側に体重をかける。
身体をひねるときに、いつも同じ方向に動く。
歩くときに、左右で使い方が違う。
こうした小さな違いは、自分ではなかなか気づきにくいものです。
そして、それが毎日繰り返されることで、身体にとって当たり前の動きになっていきます。
だから私は、不調を繰り返している方を見るとき、
「今、どこが痛いのか」
だけではなく、
「普段、どのように身体を使っているのか」
を見ることを大切にしています。
身体は、毎日の積み重ねによって変化していきます。
だからこそ、不調を改善するためには、今の身体の状態だけではなく、これまで繰り返してきた「身体の使い方」に目を向けることも大切なのです。
③ 痛みがなくなった=身体の問題がすべて解決した、ではない
痛みがなくなると、「もう身体は大丈夫」と思うかもしれません。
もちろん、痛みがなくなることは大きな変化です。
しかし、痛みがなくなったことと、身体の使い方まで変わったことは、必ずしも同じではありません。
例えば、腰の痛みがなくなったとしても、毎日の座り方や立ち方、歩き方が以前と同じであれば、身体には同じような負担がかかり続けているかもしれません。
首や肩の痛みが楽になっても、仕事中に長時間同じ姿勢を続けていれば、また身体がつらくなることもあります。
私は、痛みを取ることを否定しているわけではありません。
むしろ、まず痛みを楽にすることは大切です。
ただ、その先にある「なぜこの状態になったのか」「普段どのように身体を使っているのか」まで考えることが、繰り返す不調と向き合うためには重要だと考えています。
痛みがなくなった身体を、どのように使っていくのか。
そこまで考えていくことで、身体の状態をより良い方向へ変えていける可能性があります。
「痛みがなくなったから終わり」ではなく、「痛みがなくなったから、ここから身体の使い方を見直していく」。
私は、その視点も大切にしています。
④ 仕事・家事・姿勢など、毎日の生活が身体を作る
私たちの身体は、特別な運動をしている時間だけで作られているわけではありません。
むしろ、毎日の何気ない生活の積み重ねが、身体の使い方に大きく関わっています。
デスクワークで長時間座る。
立ったまま仕事をする。
家事で何度も身体をかがめる。
子どもを抱く。
車を運転する。
スマートフォンを見る。
こうした動作を毎日繰り返しています。
一つひとつは、それほど大きな負担に感じないかもしれません。
しかし、それが毎日、何年も続いていけば、身体にとっては大きな積み重ねになります。
だからこそ、身体の不調を考えるときには、運動や施術だけではなく、その人が普段どのような生活を送っているのかを見ることが大切だと考えています。
どんな仕事をしているのか。
どのくらい座っているのか。
家事ではどんな動作が多いのか。
どちら側をよく使っているのか。
そうした生活の中に、身体の使い方を考えるヒントがあります。
身体は、施術を受けている時間だけで変わるものではありません。
施術を受けていない時間の方が、圧倒的に長いからです。
だから私は、施術の時間だけでなく、その方が日常生活でどのように身体を使っているのかまで考えることを大切にしています。
毎日の生活そのものが、身体を作っている。
そう考えると、不調への向き合い方も少し変わってくるのではないでしょうか。
⑤ 身体の使い方は、一度直して終わりではない
身体の使い方は、長い時間をかけて身についたものです。
そのため、一度施術を受けたからといって、すぐにすべてが変わるわけではありません。
例えば、長年続けてきた座り方や歩き方があるとします。
施術によって身体が動きやすくなっても、日常生活に戻れば、無意識のうちにいつもの使い方をしてしまうことがあります。
それは、身体が悪いからではありません。
今までその使い方を何度も繰り返してきたからです。
だからこそ、身体の状態を確認しながら、必要な部分を少しずつ見直していくことが大切だと考えています。
「一度で全部変える」のではなく、
身体の状態を確認する。
動きを確認する。
日常生活での使い方を確認する。
そして、また身体の状態を確認する。
こうした繰り返しの中で、自分の身体の変化に気づいていく。
身体の使い方を見直すことは、何か特別なことをするというより、自分の身体を知っていくことでもあります。
だから私は、施術を「一度受けて終わり」というものだけではなく、必要に応じて身体の状態を確認しながら、より良い使い方を身につけていく時間として考えています。
⑥ 定期的に身体を確認する意味
身体の状態は、ずっと同じではありません。
仕事の内容が変わる。
生活環境が変わる。
運動量が変わる。
年齢とともに身体の使い方が変わる。
そうした変化によって、今まで問題なくできていた動作が、少しずつ変わっていくことがあります。
だから私は、痛みが出たときだけ身体を見るのではなく、必要に応じて定期的に身体の状態を確認することにも意味があると考えています。
例えば、
「最近、長く座っていると腰が重くなる」
「以前より首が動かしにくい」
「歩き方が変わった気がする」
「片側ばかり疲れる」
このような小さな変化に早めに気づくことができれば、身体の使い方を見直すきっかけになります。
もちろん、すべての方に定期的な施術が必要というわけではありません。
大切なのは、自分の身体の状態を知っておくことです。
スポーツ選手が、自分の身体の状態を確認しながら練習するように、日常生活を送る私たちにも、自分の身体を振り返る機会は必要だと思っています。
痛みが出てから慌てて身体を見るのではなく、
「今の身体はどうなっているのか」
「以前と動き方が変わっていないか」
と、ときどき確認する。
それが、身体を長く良い状態で使っていくための一つの方法だと考えています。
⑦ 「治す」から「良い状態を維持できる身体」へ
身体の不調があるとき、まずは痛みを楽にすることが大切です。
仕事や家事ができない。
眠れない。
歩くのがつらい。
そんな状態を少しでも楽にして、日常生活を取り戻す。
それが最初の目標になります。
ただ、私はその先も大切だと考えています。
痛みが楽になったあと、以前と同じ身体の使い方を繰り返していたら、また不調が起こることがあります。
だからこそ、
「痛みをどうするか」
だけではなく、
「楽になった身体を、これからどう使っていくか」
まで考えていきたいのです。
身体は、毎日の生活の中で使われています。
座る。
立つ。
歩く。
仕事をする。
家事をする。
スポーツをする。
その一つひとつの積み重ねが、身体の状態につながっていきます。
だから私は、施術によって身体を整えるだけでなく、その方が自分の身体の変化に気づき、必要に応じて使い方を見直せることも大切だと考えています。
「痛みがなくなったから終わり」ではなく、
「痛みがなくなったから、これからも身体を良い状態で使っていく」。
そのために、必要なときに身体を確認する。
必要なところを整える。
そして、日常生活の中で無理なく身体を使っていく。
私は、そんなふうに身体と長く付き合っていくことが、「生活シーンを楽にする身体」につながると考えています。